相場が下手な人(これで飯が喰えていない人)のために、参考図書をひとつ紹介しよう。一読してから、相場を初めても遅く無い。すると常に買いからしか相場に入らない自分の馬鹿さ加減を自覚するんじゃないかな?と思うから。
ヌリエル ルービニ「大いなる不安定」ダイヤモンド社 2010年だ。
あのリーマンショックをかなり正確に予言して的中させた経済学者である。この「大いなる不安定」は、ジョージソロスの豪華な別荘を借りて書き上げた本だが、邦訳はこれが最初だと思う。
スタンリードラッケンミラーもジョージソロスもカールアイカーンも循環論者は現在ほとんど全員が「暴落は近い」と警戒して、アセットの多くを「ショートポジション」に変えているという報道をされている。
相場のネタの事だから、無論真偽はわからないが、世界中の中央銀行がお金を刷りに刷っている未曾有の金融緩和が曲がり角にそろそろ向かうというタイミングに「注意を怠るな」という態度は正しいと僕も思う。だからか2015年の2月ぐらいからずっとショートポジションを増やして、ロングを手仕舞ってきたしそれで良かったと思う。少し売りが早すぎたものも無論あったにしろ、やはりいずれ崩れそうというようなチャートは月足で見ても増えているし、既に崩れてしまって年初来安値が昨年の最安値を下に切ったもの=つまりネックラインを下に切った壊れたチャート が増えている。
長いグラフ(月足なら30-50年の数度の天底の往来が見えるもの、日足の折れ線なら3-5年の大きなうねりが見えるもの)を見れば、誰にでもわかる(感覚的に小学生でもわかる)ように、大半のグラフが
底(100円かそれ以下)と天(1000円とかそれ以上)をゆっくりと数回往復しているのがわかる。
その往復の一片は、上げで3-7年、下げで3-10年とマチマチだが、上げに時間よりも下げの時間のほうが長い場合が多いと思う。
2年程度のうねりの短いタームでも、「天底一致」というような現象はまず間違いようがないくらいに正確に起きるのでじっくりと観察してみると良い。1699(野村原油)と1552(VIX)などは1日のズレも無くシンクロして反対方向に一致しているが、珍しいことに金曜に逆鞘に変化したので注目のタイミングということに常識的にはなるんだろうと思う。